【Flashback】第17回 国際女性ビジネス会議(午前の部)【2012】

第17回 国際女性ビジネス会議

例年、開催会場のホテル側の都合で、微妙な日程の開催になりがちな国際女性ビジネス会議、第17回の今年は、ロンドン五輪開会式の直後、7月28日の午前10時に始まった。早起きして、日本時間の同日早朝5時に始まった五輪開会式を見てきた人も多かったようだ。一方で、開場前の午前7時には、すでに到着し、名刺交換しながらの交流を始めていた人たちも多かったとか。来年は、私もその輪に入ろう。
700人の参加者(うち男性は6%)を前に、実行委員長佐々木かをり氏が開会の挨拶。

今日は久しぶりに笑って話せているという細野豪志環境大臣が、短いスピーチの中で阪神大震災でも311でも女性が復興の大きな支えになった、と語った後、インドからきた Stuti Jalan 氏(Crosshairs Communications 設立者)が、自らの経歴やビジネス、チェーンリアクションで右肩上がり中のインド経済、その中で実績をおさめつつある女性たちを紹介。そして、四六時中、飛行機に乗ってる生活をしているという江田麻季子氏(インテル アジア・パシフィック地域セールス本部長)は、消費者に近づき、信頼関係を結ぶ努力を欠かさない。その中で、文化や性別の違いに言及しない(例えばオーストラリア人だから特定の考え方をする、といったステレオタイプ思考や言動を避ける)ことが大切、と語る。

そして11時頃から、石井裕氏(MIT メディアラボ副署長)の「変化とビジョン:未来の記憶」と題したプレゼン。自らの作品 を紹介し、「雲海記憶」や「出杭力(出過ぎるは打たれない」/道程力(未踏の原野を切り拓く)/造山力(山を登るのではなく山を造る)」といった独特の造語を大きくフィーチャーしたスライドが急速に切替えられながら、bot やクラウドが記憶を永劫化する、というやや超越した内容が、オーディエンスの意識に分け入り、すーっと記憶に刻み込まれた。自身が休むことなく走り続けている理由、「人生が短すぎるから。残り時間がこぼれ落ちていくのを実感する」という言葉が印象的だった。

海外で見聞した格差や教育機会の不均等が活動の原点という小林りん氏(International School of Asia設立準備財団代表理事)は、軽井沢に開校予定の国際スクールを紹介。教育の柱に「多様性」「リスクをとる力/勇気」「問題設定力」を据え、日本の高校卒業資格と国際バカロレア(国際大検的な,世界の大学に進学できる)を授与し、奨学金も充実、そして講師を世界から招聘する。

次いで、ユーモラスな語り口で会場を和ませながら、野口聡一氏(宇宙飛行士)が、宇宙飛行士に必要な資質として、状況認識/知識/スキル/迅速な対応/異文化能力(ここ数年で急速に重要に)/アウトリーチ(若い世代への手本や教育活動)、を挙げる。その資質を育て、宇宙での共同任務を円滑にするため、飛行士たちは世界各地を旅しながら訓練を受けている。日本人宇宙飛行士20年史(毛利衛飛行士の化学実験の90年代→ISS組立て→長期宇宙滞在)を振り返った後、これから一般の人が宇宙へ行く時代を迎えるにあたり、宇宙法整備、宇宙での社会心理、無重力空間の行動解析など、自然科学分野と人文科学分野を融合した視点が必要になっていく、と締めくくった。

午前の部の最後は、石倉洋子氏(慶大メディアデザイン研究科教授)と夏野剛氏(慶大メディア研究科特別招聘教授)のトークショー。日本ってヤバい、携帯メールを最も使いこなしてたガラケー日本を追ってるのが今の世界のスマホだし、日本には経営の3種の神器(人/金/技術)が揃ってる。難点は、金と人の流動性が低いこと。でも、この10年間で、個人の情報収集能力と情報発信能力が驚異的に飛躍し、行動すれば結果が伴う時代になった。「好きこそ物の上手なれ」〜オタクとして突き詰めれば世界へ進出もできる。ただ、「石の上には3ヶ月」で、興味なければすぐやめることだ。2人のコンビがよくかみ合い、主に石倉氏が聞出し役で、夏野氏の語りが以上のように流れ、最後に石倉氏がさらっとまとめてスッキリと終った。

ランチの後は午後の部〜続きます☆

【本記事は、技術上の問題で、別Blogから失われた過去の記事の復刻記事となります】

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