【Flashback】第17回 国際女性ビジネス会議(午後の部)【2012】

第17回 国際女性ビジネス会議(午後の部)

午後の部は、桜美林大の馬越恵美子教授による、英語の落語で幕を開けた。古典落語の演目の英語によるパフォーマンス。言語との結びつきの強い芸能というイメージがあったが、言語の抑揚やリズムの違いによる違和感がなく、英語が演目に、驚くほどよく馴染んでいた。馬越教授、日本語でやっても様になるレベルの落語のセンス、きっと持っていると思う。

311以降、震災復興ボランティア活動を精力的に続けている伊東雅道氏(アメリカン航空日本地区貨物営業本部長)が、福島県川俣町の太鼓グループの米ワシントンでの公演と、釜石市の女性の米国留学支援を短く報告した後、「日本で出産するということ」をテーマに掲げ、最後の講演者、野田聖子氏(自民党衆議院議員)が登壇。日本社会には、結婚しないと子どもを産むべきではないという空気が根強くあり、「めんどくさい」から結婚しない男性もいて、それが少子化の一因である、と述べる(個人的には、自分自身が「結婚しない」選択をしている男性の1人でありながら、これが少子化の主要因ではないと考える)。そして、自身の10年間におよぶ不妊治療〜40歳以来、通算16回の体外受精を体験。この苦労をせずに子供を持てる、卵子提供、代理母、養子縁組等の枠組みが定着していて欲しかった、と振り返った。公の場では語りづらいと思われる内容を、あけっぴろげにさばさばと語る強さに打たれた。「高齢出産して後悔したのは、老眼で息子の顔がよく見えないこと」「iPS細胞で、卵子は複雑過ぎて無理だけど精子は作れるかも。男いらないネ」など、皮肉なスパイスを効かせつつ、ユーモラスな一面も。

休憩をはさみ、14:30から、「円卓会議」(分科会)第1セッション。午前中に圧倒的なプレゼンを繰り広げた石井裕氏(MIT メディアラボ副所長)と、古川享氏(慶大大学院メディアデザイン研究科教授)の「IT が動かし始めた世界・未来」に出席した。2人の息が絶妙に噛み合い、時に漫才のように笑いを誘う。誰もがアイディアを実現し起業することを可能にした、Kickstarter や日本の READYFOR? 等のクラウドファンディングに言及。その後、午前中の石井氏のプレゼンに通ずる、クラウドや Bot による自己存在の永劫化に話が展開した(古川氏は、子孫に贈る iTunes クーポン券を提唱)。続く Q&A でも、クラウドファンディングから、未来を作る手段としての SNS、教育、500 Startups や記憶の銀行 Memoro といった新サービスまで、幅広いトピックが密度濃く質疑応答された。

第2セッションの円卓会議は、魅力的な題目が並び、かなり迷ったが、「Global Issues ~世界の課題を考える~」に出席。パネラーは、根本かおる氏(ジャーナリスト/国連UNHCR協会)、木山啓子氏(特定非営利活動法人ジェン事務局長)、原田英治氏(英治出版代表取締役)、モデレータが大和田瑞穂氏(イー・ウーマン)。根本氏と木山氏が永年携わっていた、難民問題が中心。この問題に関し、国際社会の中で日本のプレゼンスが低い現状と、今後、日本人がどう関わっていけるか、が語られた。個人的には、多様な問題に対し客観的なアプローチを期待していたが、出席者の多くはパネラーのプロフィールを知りトピックも想定していたようで、難民問題に関する質疑応答が活発に行われた。

18:00からの2時間はネットワーキングパーティ。

名刺交換とそれに伴うスモールトークから、遠方からの参加者や外国籍の方も多く、高校生から会社員、経営者まで、幅広いバックグラウンドを持った方々が参加していることを実感。昂揚感をもって10:00からの、永くもあっという間に過ぎた1日を締めくくった。気分を日常へ適度にシフトしてくれる、ゆりかもめの沿線に会場があるというのも、何気によい。

【本記事は、技術上の問題で、別Blogから失われた過去の記事の復刻記事となります】

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